2017/8/20 紹介型読書会「戦争と平和」
8/20(日)に紹介型読書会「戦争と平和」を開催しました♪
今回は、人類が歴史上起してきた"戦争"と"平和"を取り戻した事実について書かれた本を持参いただき、作品のシェアをしていただきました。
ご参加いただいた皆様、沢山の本のご紹介、有難うございました。m(。-_-。)m
下記は紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含みます)
■書籍 『100分de名著 カント 永遠平和のために』2016年8月 『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 』カント (著), 中山 元 (翻訳) 『中国ナショナリズム - 民族と愛国の近現代史 』小野寺 史郎 (著) 『張学良秘史 六人の女傑と革命、そして愛』富永 孝子 (著) 『「天皇機関説」事件 』山崎 雅弘 (著) 『オリエンタル・デスポティズム―専制官僚国家の生成と崩壊』カール・A. ウィットフォーゲル (著), 湯浅 赳男 (翻訳) 『昭和史のかたち 』保阪 正康 (著) 『きけ わだつみのこえ―日本戦没学生の手記 』日本戦没学生記念会 (編集) 『雲の墓標』阿川 弘之 (著) 『永遠のゼロ』百田 尚樹 (著) 『平和は「退屈」ですか――元ひめゆり学徒と若者たちの五〇〇日』下嶋 哲朗 著 『浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち 』石井 光太 (著) 『バルカン―「ヨーロッパの火薬庫」の歴史』マーク・マゾワー (著) 『わが闘争(上)―民族主義的世界観』アドルフ・ヒトラー (著), 平野 一郎 (翻訳), 将積 茂 (翻訳) 『死闘の本土上空―B-29対日本空軍』渡辺 洋二 (著) 『写真版 東京大空襲の記録』早乙女 勝元 (著) 『昭和史のかたち 』保阪 正康 (著) 『ひとはなぜ戦争をするのか』アルバート・アインシュタイン (著), ジグムント・フロイト (著), 養老孟司 (著 ), 斎藤環 (著), 浅見昇吾 (翻訳)
■書籍以外の資料 <劇>「これはあなたのもの」ロアルド・ホフマン作 <歌>「旗を高く掲げよ(はたをたかくかかげよ)国家社会主義ドイツ労働者党の党歌 <映画>「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」フランス 2014年
今年の紹介型読書会「戦争と平和」は第二次世界大戦前後の日本の作品が多かったですね。これらの内容を一言でまとめる事は大変難しい作業なので、こんな時は'この映画を観れば紹介された本から受取るメッセージを視覚聴覚から取り込む事が出来るかも?'と思い出した映画作品は、子供の頃、母親に「見に行ってらっしゃい!」と言われ、自治体推薦作品でもあった「ガラスのうさぎ」1979年(昭和54年 原作:高木 敏子 著)実写版です。当時は子供だったので、もっと面白い映画が観たいな~と渋々映画館に足を運んだのを覚えています。(笑) WEBで検索してみると2005年にもアニメ化されて、下記のYouTubeで視聴可能となっておりました。 https://www.youtube.com/watch?v=-PhQXCp2iks
ご紹介いただいた本から話題に上ったのは、「もしかして日本人は過去の歴史から過ちを学び取り、対話によって問題解決をする叡智に欠けているのでは?」ということでした。>< 20世紀以前は戦争資料といえば、勝戦国の記述した戦史や記述した書物でしたが、20世紀以降は、映像資料が豊富ですし、活字資料は勝敗問わず戦争を経験した一般の民衆の記述した資料も多数残っており、様々な小説や秀逸なノンフィクションとして私達は自由に閲覧し読み取る事が出来る時代です。 但し、チャンネルが多いとどうしても好きな分野の作品を観てしまったり、読んでしまうのが人間ですね!
そこで個人的に観て良かったこの映画!!は、「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」(フランス 2014年)です。http://kisekinokyoshitsu.jp/introduction.html パリ郊外の高校で本当に起こった奇跡の物語。イスラム教、ユダヤ教、カトリック、プロテスタント他、数種類の宗教や文化に所属する人種の生徒達が一つの教室で学んでいるという難しい状況で、「私はマダムゲゲン、教えることが大好きで退屈な授業はしないつもり」と自己紹介した一人の歴史教師が落ちこぼれとクラスと言われていた生徒達に「歴史コンクールに出場しましょう」と提案します。コンクールの課題「アウシュヴィッツ(映画では'子供と若者たち')」という難しいテーマを前に生徒達からは「出来るわけないじゃん!」と不満が続出。大人でも難しいテーマ、これまで目的意識を持たずにただ日々の授業に参加するだけの高校生達でしたが、強制収容所の生き残りレオン・ズィゲル氏の証言を聞いた日を境に課題への取り組み方が変わってきます。 生徒達が変化した、何かに目覚めた時、その瞬間がとても好きで、この映画を読書会で紹介しようと考えました。'その結果は何を目的に行われた行為によって発生した事実なのか'、異文化や異なる宗教を超えて10代の若者達が友人や仲間達、クラス一丸となって「証明」する「理解」する事を成しえた時、明るく前向きな対話をする姿勢、協調することを学んだ生徒の姿から、やっぱり人間って捨てたものじゃないよね!と希望の光を見出す事が出来るのでした。
読書会の初めに、カントの「永遠平和のために」の中身を取り上げたのですが、「200年前この内容を執筆したとは、すごい先見性だ!」とひたすら驚き感動、フランス革命(1798年)後、欧州激動時代ナポレオン戦争前の時代背景を考慮しつつ、国家間に永遠の平和をもたらす6項目は、現代でも応用できる条項です。 100分de名著の解説から、カントは「人間は邪悪な存在である」という人間観を持っていて、何の規律もなければ己の利益だけを考えて良からぬ方向に向かってしまう、その通りです!確か...この辺を「まあるく収める方法論」として浮かんだのは、近江商人の「三方よし」。18世紀半ばの江戸時代商家の家訓から派生したもので、カントの商業の役割観に通じる点があるな、と思い、18世紀の日本と欧州に同じ思考の人達が存在した事に、またまた希望の光♪
「戦争と平和」の読書会は5回目の夏を迎え、昨年から20世紀の世界大戦以外について書かれた本を持参していただき、「戦争」や「平和」について多様な角度から考え、語ってみる場を創ってみました。
ただこの難しいテーマを書籍だけで解釈せよ!というのはある意味、現代人には勿体ないのかもしれない、折角映像資料も豊富にある事だし、来年は映像作品+書籍のコンビで企画してみよう、と閃きました。
8月の「戦争と平和」の読書会、猛暑の中をご参加いただいた皆様、本当に有難うございました。m(。-_-。)m また来年、機会がありましたらお話しましょう。^^/
宜しくお願い致します。