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 読書会レポート

2017年に開催した読書会レポートです。過去の読書会レポートはback numberをご覧くださいませ。
​2017年6月から読書会レポートをblogへ移動いたしました。宜しくお願いいたします。

7/16(日)に紹介型読書会「ミステリな読書会」を開催致しました♪
今回は、2人の参加者の方が読書会初体験。皆さん、参加する前に会の趣旨や参加者の年齢層が気になったそうですが、当会は年齢差なんて何のその!20代から70代まで、共通の本の話題さえあれば楽しい一時をお過ごしいただけます♪
今年のミステリな読書会は20代~50代の方々でヒャッとしたりドキッとしたり、ご参加いただいた皆様、お暑い中を有難うございました。^^/

下記は紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含む)
『マギの聖骨』ジェームズ・ロリンズ
『氷結』ベルナール・ミニエ (著), 土居佳代子 (翻訳)
『蒼穹の昴』浅田 次郎  (著)
『日輪の遺産』浅田 次郎  (著)
『教団X』中村 文則  (著)
『火曜クラブ』アガサ クリスティー  (著), 中村 妙子 (翻訳)
『贖罪の奏鳴曲』中山 七里  (著)
『灰色の部屋』イーデン・フィルポッツ (著), 橋本 福夫 (翻訳)
『人形 (デュ・モーリア傑作集)』ダフネ・デュ・モーリア (著), 務台 夏子 (翻訳)
『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン (著), 中村 保男 (翻訳)
『ケンブリッジ・シックス 』チャールズ カミング (著),熊谷 千寿 (翻訳)
『アメリカから<自由>が消える』堤 未果 (著)
『薔薇の名前』ウンベルト エーコ (著), 河島 英昭 (翻訳)
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』川上 和人 (著)
『幻の女』ウイリアム アイリッシュ (著), 黒原 敏行 (翻訳)
『冷戦とクラシック―音楽家たちの知られざる闘い 』中川 右介 (著)

今回の読書会では、原作のご紹介から映画化された作品の俳優や女優の話題に飛躍し、本と映画の両方の話題を楽しむ事が出来ました。


映画「未来を花束にして」では、英国で婦人参政権を求めて闘った女性達の話題でも盛り上がり、「薔薇の名前」では名優ショーン・コネリーの修道士の演技の話や中世当時の建築を知るには映像の力を借りること、そして冷戦とクラシックのご紹介を聞いて頭に浮かんだのは名画「ホワイトナイツ/白夜」で2人の参加者が同じように頭をよぎったという不思議なイメージ共感がありましたw(゚o゚)w

映画と原作、その反対もあり、物語の理解を深めるのに私達はなんて恵まれた時代に読書を楽しめるのだろう、としみじみ思ったのでした。

但し、情報化が進むと、これまでミステリや謎としてオブラートに包まれて自然と呑み込んでいた事象のプロセスが解明され、「なぁーんだ、そういう事か~」などとがっかりする場面もあり、"謎は謎のまま"の方が良いことも・・・ある、場合もある。なんて、どちらとも言えないと真ん中に留まることに(笑)もう暑いですから^^/

来月8月は、毎年開催している紹介型読書会「戦争と平和」を開催いたします。
https://www.facebook.com/events/322439208205157/
お時間が合いましたら、是非ご参加くださいませ。-^^/
宜しくお願い致します。

 

2017年7月16日(日)紹介外読書会「ミステリな読書会」
2017年7月16日(日)紹介外読書会「ミステリな読書会」

6/18(日)第9回ジェイン・オースティンの読書会 『マンスフィールド・パーク』シーズン2を開催致しました。
 

 6月のジェイン・オースティンの読書会会場は、昨年と同じ横浜の西洋館の一室をお借りして開催いたしました。
 毎回使用する会場については、工夫をしているのですが、利便性は勿論、なるたけ雰囲気の良い会場で読書会を開催するのは、原作者に敬意を表し、会場の雰囲気からその作品の良さが浸透しやすい様に、という想いがございます。今回はその甲斐もあってか(*^^*)オースティン作品をこのなく愛する人達が一堂に会しまして(笑)、課題本以外の作品の登場人物との比較等、面白い視点で『マンスフィールド・パーク』について語り合いました♪
参加された皆様、有難うございました。^^/

課題本の『マンスフィールド・パーク』は、下記の二人の訳者さんの作品で、頁合わせをしながら進めました。

A.『マンスフィールド・パーク』(中公文庫) ジェイン オースティン、大島 一彦 訳

B.『マンスフィールド・パーク』 (ちくま文庫) ジェイン・オースティン、 中野 康司 訳


頁の振り方が異なるため、章対応は下記を参照願います。
A 大島一彦 訳      B 中野 康司 訳
  1巻 1章ー18章   1章ー18章
  2巻 1章ー13章   19章ー31章 
  3巻 1章ー17章   32章ー48章

 参加者の方々、それぞれの視点から、『マンスフィールド・パーク』の登場人物、気になる場面等をお話いただきました。
 お題の一番印象的なor好きな人物では、メアリ・クロフォード、ノリス夫人、ファニーの名前があげられ、なるほど個性の強いキャラに皆さん注目されていたようです。なかでも「メアリは作者オースティンに似ているのかもしれない」や「ノリス夫人は腹の立つ人物かもしれないけど彼女がファニーを引取る、と言い出したのでファニーは苦労の末幸せを掴んだ」と鋭い指摘や、またヘンリーの心変わりを『高慢と偏見』のダーシーと反対である、と他の作品の人物と比較してお話が進んだのは、大変楽しく、オースティンファンならでは会話が弾んだ一時を過ごす事が出来ました!有難うございます^^/

 折り良く、今月7月の『100分 de 名著』は、「ジェイン・オースティン『高慢と偏見』 2017年7月」です!!
 ジェイン・オースティンの作品がようやく100分 de 名著入りを果たしました!
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/67_janeausten/index.html#movie
放送は既に終盤、見逃してしまった方でも、NHK(WEB)やGAO経由でオンデマンドでお好きな時間に視聴できますのでご安心を♪

 ワクワク感一杯の『高慢と偏見』と道徳色の濃い『マンスフィールド・パーク』、どちらも英国の女流作家ジェイン・オースティンの作品です。今年2017年はオースティン没後200年、9月から英国の新10ポンド札にはオースティンの肖像が印刷され流通します。

"知性は機知よりも良いものですし、最後に勝つのは知性です"
(『ジェイン・オースティンの手紙』より)

 さぁ、オースティンの作品に興味を持たれたら是非他作品も読んでみると、「人間の普遍性は昔も今も変わらない」事に気付き、実り豊かな活動に繋がるかも^^/

次回の第10回ジェイン・オースティンの読書会は、11月19日(日)『分別と多感』です。
ご興味のある方、どうぞ、よろしくお願い致します。m(._.)m

2017年6月18日(日)第9回ジェイン・オースティンの読書会
『マンスフィールド・パーク』シーズン2
2017年4月16日(日)紹介外読書会「春の読書会」

4/16(日)に紹介型読書会「春の読書会」を開催致しました♪


今回は、一人を除く全員が読書会初体験、参加者全員が女性だったので、本の話だけでなく女子会さながらの大変楽しい会となりました。
ご参加いただいた皆様、有難うございます。^^/

下記は紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含む)

『セレンディップの三人の王子たち―ペルシアのおとぎ話 』竹内 慶夫 (編集, 翻訳)
『ぼくには数字が風景に見える』ダニエル・タメット  (著), 古屋 美登里 (翻訳)
『考えるヒント 生きるヒント』ジェームズ アレン  (著), 坂本 貢一 (翻訳)
『セレンディピティの時代 偶然の幸運に出会う方法』茂木 健一郎  (著)
『成功者の絶対法則 セレンディピティ』宮永 博史  (著)
『化学の学校』マノロフ、ラザロフ、リーロフ
『大人の女はどう働くか? ―絶対に知っておくべき考え方、ふるまい方、装い方 』ロイス・P・フランケル (著), 高山祥子 (翻訳)
『置かれた場所で咲きなさい』渡辺 和子  (著)
『「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界 』佐藤 勝彦 (監修)
『「病は気から」を科学する 』ジョー・マーチャント (著), 服部 由美 (翻訳)
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 』リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)
『博士の愛した数式』小川洋子
『スミレのように踏まれて香る』渡辺和子  (著)

 今年の春の読書会のテーマは「セレンディピディ」、ふとした偶然をきっかけに幸運をつかみ取ること、「偶然知」とも呼ばれそうですが、幸運はみんなのところに同じように降り注いでいても、成功を勝ち取る事が出来る人と出来ない人がいる場合、その違いは何か。
下記は、参加者の方々のお題「私のセレンディピディ体験」です。
・偶然を呼び込むような下地をつくってきた
・同じところに留まらない
・上司の意見に逆らう⇒ケンカしちゃう
・怒りを現状を好転させるためのエネルギーにしてしまう
・常に10年後、20年後の社会を考えて今を構築していく
・知の宝庫(図書館)に身を置き、多様な本との出会いから運を切り開く
・一時期読書に集中して、内面を救出されるような体験

何やら「セレンディピディ」を受け取るヒントが見えますね^^/
 

「セレンディピディ(serendipity)」はもともと造語で、『オトラント城奇譚』の作者で英国のホレス・ウォルポールが『セレンディップの三人の王子たち』(セレンディップはセイロン島で現在のスリランカ)を読んで、物語で展開される三人の王子達の聡明さが、数々の偶然な出来事を経て、予想もしなかった成功や幸運を掴む結果となっていく事象を捉えた言葉として、友人宛の書簡で説明したことに因ります。

 話題になったのは、優れた能力を持った人は独自の価値観を持って生活をしており、一般人から見て不思議で奇怪な行動も、彼ら自身からすれば「幸福を掴み取るプロセスである」という事。サヴァン症候群で天才的な数学者は言葉とイメージから数字に色をつけたり、複雑な数式も美しい風景に感じながら解答し、また化学者は原子の働きを擬人化して表現、例えば水素くんは、軽いから~電子を一個しか持ってないからとっても単純な人とか(笑)。

 昨今は、教育の現場でもイメージを掴ませるために、対象を擬人化してシナリオを作り教材にしている教育者の方も増えてるそうですね。こんな授業なら受けてみたかったです。下記参考まで。
http://ceron.jp/url/www.nicovideo.jp/watch/sm1101316

「セレンディピディ(serendipity)」は、誰にでも平等に訪れているそうですが、掴めるか恩恵を受けるには、日々の下地つくりが大切で、読書はその一助に十分成りえる、と思いました。

 来週からGW、本を読める時間が増えると考えると待ち遠しいですね♪

 次回のジャンルフリーの紹介型読書会は、7月「ミステリな読書会」、8月「戦争と平和の読書会」、11月「秋の大読書会」を予定しております。


ご興味のある会がございましたら、是非ご参加くださいませ。-^^/

宜しくお願い致します。

紹介型読書会「イタリアの物語」を開催致しました。
"イタリア関連の本集まれ!"という趣旨のもと開催した会で、当初の予想を上回る多方面からのイタリア関連書籍の紹介が相次ぎ、大変有意義な時間を過ごす事が出来ました♪
参加者の皆様、本のご紹介を有難うございました^^/


下記は紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含みます)
『ユルスナールの靴』須賀 敦子 (著)
『コルシア書店の仲間たち』須賀 敦子 (著)
『須賀敦子 (精選女性随筆集) 』須賀 敦子 (著), 川上 弘美
『ヌメロ・ゼロ 』ウンベルト・エーコ (著), 中山エツコ (訳)
『プラハの墓地 』ウンベルト・エーコ (著), 橋本 勝雄 (訳)
『山猫 』 (岩波文庫)トマージ・ディ ランペドゥーサ (著), 小林 惺 (訳)
『ルキーノ・ヴィスコンティ』
映画「家族の肖像」「地獄に堕ちた勇者ども」「ルードウィヒ-神々の黄昏-」「ベニスに死す」他
『昔も今も』サマセット・モーム (著), 天野 隆司 (訳)
『月と六ペンス』モーム (著)
『世界の十大小説』サマセット・モーム (著)
『君主論』ニッコロ マキアヴェリ (著), 池田 廉 (訳)
『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』塩野 七生 (著)
『神曲』ダンテ (著), 平川 祐弘 (訳)

『The Divine Comedy: Inferno (English Edition)』Dante Alighieri
『フィレンツェ 』若桑 みどり (著)
『ボローニャ紀行 』井上 ひさし (著)
『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ (著)
『異世界の書―幻想領国地誌集成』ウンベルト エーコ (著), 三谷 武司 (訳)
『イタリア日記(1811) 』スタンダール (著), 臼田 紘 (訳)
『風の丘』カルミネ アバーテ (著), 関口 英子 (訳)
『偉大なる時のモザイク 』カルミネ アバーテ (著), 栗原 俊秀 (訳)
『帰郷の祭り 』カルミネ アバーテ (著), 栗原 俊秀 (訳)
『バチカン近現代史 』松本 佐保 (著)
『新・ローマ帝国衰亡史』南川 高志 (著)
『ミラノの太陽、シチリアの月 』内田 洋子 (著)
『から騒ぎ』シェイクスピア

「きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。」(『ユルスナールの靴』プロローグより)今回は、日本の女性作家でイタリアに在住し、素晴しい著作や翻訳活動をされている方々の著作を機会があったらご紹介したいという想いから、そして昨年11月の「第二回須賀敦子翻訳賞」に参加させていただいた事もあって、企画した会となりました。


紀元前にローマ帝国がイタリアの地で誕生し、歴史的に魅力のある土地柄で、カトリックの総本山があり、数々の美術品は世界中の人々の注目を集め、二千年以上も"磁力"を持ち続けるイタリア。
書籍から「イタリア」を多角度から紹介し、話し合う2時間は、プチ海外旅行の様な気分となり、大変楽しい一時を過ごす事ができました、有難うございます。


欧州史の中でローマ帝国が快進撃を続けた理由の一つとして、属国や制圧した近隣諸国の民にローマ市民としての本籍を与える事で「ローマ市民権」というステイタスを植え付けて人民を心理的に掌握していった戦略と現代の米国が進もうとしている戦略が真逆、という指摘が面白いなと思い、住んでもいない地の本籍や市民権を与えるって、、、現代ですと地球以外の不動産の所有権を与える様なイメージでしょうか、すごいですね、心理的ドリーム作戦をローマ帝国は考えていたとは!
そして宗教と政治の関連(ローマ-ヴァチカン)、都市と文化(ボローニャ-欧州最古の大学)、名声と信頼(メディチ家-フィレンチェ)、「目的を達成するためには手段は選ばず」という考え方が定着したのもイタリア史上。(個人的には手段は十分選んでほしいですが。笑)


イタリアの文化は古代から現代まで芸術、ファッション、映画、食事など各界をリード。美術史ではイタリアルネッサンスの話題は盛りだくさんでした。
イタリアの物語に触れると「自分らしく、適切な方法を見つけて、ぶれずに人生を歩いていきなさい」と本を通じて励まされる、なぜかそんな気持ちになるのでした♪


さぁ、イタリアにご興味を持たれたら、是非東京にあるイタリア文化会館をチェックしてみましょう!イタリアブックフェア2017も開催予定とのこと。新しい「イタリアの物語」を発見できるかもしれません。^^/
http://www.iictokyo.esteri.it/iic_tokyo/ja/gli_eventi/


更に嬉しいお知らせが!3/11(土)~4/7(金)の期間、恵比寿ガーデンプレイスにおいて「イタリアネオ+クラッシコ映画祭2017」が開催され、イタリア映画の現代の古典(ネオクラッシコ)と永遠の古典(クラッシコ)をデジタルリマスター版で上映するそうです。
皆様のオリジナルのイタリアの物語に繋がります様に。


ご参加いただいた皆様、お疲れ様でした。^^/

2017年2月19日(日) 紹介型読書会「イタリアの物語」

3月19日の日曜日、海外文学読書会「フランス人作家の会」を開催いたしました。
三連休の中日に読書会にご参加いただいた皆様、大変楽しい一時を有難うございました!

今回持参された本の全体写真の撮影を忘れてしまい、、、唯一撮影した原書でご紹介されたものをイメージ写真として使用させていただきます。

下記は紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含む)

『パルムの僧院』スタンダール  (著), 大岡 昇平  (訳)
『イタリア日記(1811)』スタンダール (著), 臼田 紘 (訳)
『愛の妖精』ジョルジュ サンド (著), 宮崎 嶺雄 (訳)
『明かしえぬ共同体』モーリス ブランショ (著)
『太平洋の防波堤』マルグリット デュラス (著)
『愛人 ラマン』マルグリット デュラス (著)
『ペスト』カミュ (著), 宮崎 嶺雄 (訳)
『異邦人』カミュ (著), 宮崎 嶺雄 (訳)
『ペール・ゴリオ 』バルザック (著)
『ランジェ公爵夫人』バルザック (著)
『アンジェリク』S・ゴロン (著), A・ゴロン (著), 井上 一夫 (訳)
『寛容論』ヴォルテール (著), 中川 信 (訳)
『夜間飛行』サン=テグジュペリ (著), 堀口 大學 (訳)
『星の王子さま 』サン=テグジュペリ (著)
『碁を打つ女』シャン・サ (著), 平岡 敦 (訳)
『存在の耐えられない軽さ 』ミラン クンデラ 
『悪童日記』アゴタ クリストフ 
『サラゴサ手稿 』J.ポトツキ (著)
『フランス組曲』イレーヌ ネミロフスキー (著), 野崎 歓 (訳), 平岡 敦 (訳)
『天使の記憶』ナンシー ヒューストン (著), Nancy Huston (原著), 横川 晶子 (翻訳)
『レ・ミゼラブル 』ユゴー (著)
『O嬢の物語 』ポーリーヌ・レアージュ (著), 澁澤 龍彦 (訳)
『本を読むひと』アリス・フェルネ (著), デュランテクスト 冽子 (訳)
『le club des incorrigibles optimistes(どうしようもない楽観主義クラブ)』Jean-Michel Guenassia  (著)

今回は仏文科卒の方が3名参加され、フランス文学大系から見た選りすぐりの作家を古典から現代まで次々とご紹介され、大変中身の濃い内容となりました、有難うございます。

私達の"存在"についての哲学、ナポレオン時代の欧州の情勢、ボナパルティズム、不条理を扱った不幸せな結末、普通の人が読んだらヘンタイと思われる小説(笑)が美学として扱われる文化、周囲へ危険を及ぼすことも考えずに行動する人間のエゴ、湿った肌に纏わりつく様なエロス、キッチュ(Kitsch)俗悪なものとは?、胸ぐらを掴まれる文章表現等々、今回も最後は「フランスはAmourの国だから!」という意見でまとまりました。^^@

話題になったカミュの『ペスト』よりも現代的と評される傑作を書いたイギリス人作家は?の答えは、『ロビンソン・クルーソー』の著者のダニエル デフォー(1660‐1731)、作品は『ペスト』 でよかったみたいです。カミュ(1913年 - 1960年)より2世紀以上前に執筆していたのですね♪

 

 

そして日本人作家もフランスで評価が高いのでは?という話では川端康成作『美しさと哀しみと』が、シャーロット・ランプリング主演でフランスで映画化されていた事実。やはり美しく妖しい文学を取り入れる嗅覚は映画界も流石です!


また演劇関連では、KAAT 神奈川芸術劇場の学生インターンの方が、モーリス・ブランショの『期待 忘却』をモチーフに書かれた劇団「地点」の最新作『忘れられた日本人』の舞台をご紹介されました。フランス人作家の作品を日本人の劇作家がどの様にアレンジされたのかも興味深いですね。
 

読書会レポートのイメージ写真として今回採用させていただいた本の写真は、『le club des incorrigibles optimistes』Jean-Michel Guenassia  (著)で、日本語訳ですと「どうしようもない楽観主義クラブ」とか、フランスで最も権威のある文学賞のゴンクール賞の高校生部門の受賞作品とのこと。翻訳されたら読みたいな、と思いました♪

今年で3回目となりました「フランス人作家の会」、ご参加いただいた皆様、大変楽しい一時を有難うございました!
また来年、フランス人作家の作品で語り合いましょう^^/

宜しくお願い致します。
 

2017年3月19日(日)海外文学読書会「フランス人作家の会」
2017年1月15日(日) テーマ型読書会「日本の夜明け-昭和時代-」

1月15日(日)にテーマ型読書会「日本の夜明け-昭和時代-」を開催致しました。
読書会レポートが遅くなり、お待たせしてすみません。m(_ _)m
今回は世界でも最長期続いた元号「昭和」時代について、持参された本から「昭和」を語っていただく趣旨の読書会を開催。
「昭和」は時代的にまだ人気度が出ていないのか、長すぎて的を掴めなかったのかキャンセルもあり、参加者4名で開催しましたが、紹介された本は普段と変わりなく熱かったです。^^@
流石に事件事象が絶え間なく起こった日本の近現代、極貧から立ち上がった昭和日本の躍動感をご紹介いただいた本から感じ取る事ができました。ご参加いただいた皆様、有難うございました。^^/
 

下記はご紹介された本のリストです。(順不同)

『教養としての「昭和史」集中講義 教科書では語られていない現代への教訓』井上 寿一  (著)
『三島由紀夫vs東大全共闘―1969-2000 』三島 由紀夫  (著)
『69 sixty nine 』村上 龍  (著)
『神国日本のトンデモ決戦生活』早川 タダノリ (著)
『香港・濁水渓』邱永漢  (著)
『自由学校 』獅子 文六  (著)
『カレーライスの唄 』阿川 弘之  (著)
『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記 』長谷川 晶一  (著)
『青空娘 』源氏 鶏太 (著)
『英語屋さん』源氏 鶏太 (著)
『東京漂流 』藤原 新也  (著)
『マイナス・ゼロ』広瀬正  (著)
『のらくろ曹長 』田河 水泡 (著)
『現代の青春』高橋 和巳 (著)
『アフター・リベラリズム―近代世界システムを支えたイデオロギーの終焉』I. ウォーラーステイン (著),松岡 利道 (翻訳)
『反システム運動』G. アリギ  (著), I. ウォーラースティン (著), T.K. ホプキンス  (著)
『なつかしの昭和時代』鈴木 育男
『昭和のあの頃ぼくたちは小学生だった』かねこたかし (著)

「のらくろ曹長」の復刻版をお持ちいただいたのですが、この本のデザインが現在でもウケる可愛さなのです!昭和って意外と新しいのかも♪
豊かですが何処か不自由な現代より、物質が不足していた昭和の日本人の方が自由だった気がするのは、あらゆる分野がフロンティア、チャレンジする人はみなパイオニアだったからでしょうか、ルールに縛られた現代人からすれば羨ましくもあります。

2017年は「昭和」で始まった当読書会、今年は世界文学を目標に、多種多様な会を企画してまいります。
2月は国土面積も日本と近いイタリアに注目し、2/19(日)に紹介型読書会「イタリアの物語」を開催いたします。
 

それでは、今年もどうぞ宜しくお願い致します。^^/

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