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 読書会レポート

2015年に開催した読書会のレポートです。 2014年以前はサブフォルダをクリックしてください

 

12月20日(日)14:00~開催 「バルザックの読書会」

 

「バルザックの読書会」を開催致しました!
参加された皆様、本日はバルザック作品にお付き合いいただき、有難うございました!
バルザックの作品は、なぜか日本ではウケが悪いのか、人気がないなと感じていたのですが、

作品を手に取るまでの情報に問題があるのかな?と思い、どうしたら19世紀フランスの偉大な

作家の作品を読んでもらえるのだろう・・・と諸々考えながら読書会を開催しました。

 

下記は、本日紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含む)

『ペール・ゴリオ パリ物語』バルザック (著), 鹿島 茂 (翻訳)
『ゴリオ爺さん』バルザック (著), 平岡 篤頼 (翻訳)
『ゴリオ爺さん』バルザック (著), 水野 亮 (翻訳)
『谷間のゆり』バルザック (著), 石井 晴一 (翻訳) 
『ランジェ公爵夫人』オノレ・ド・バルザック (著), 工藤庸子 (翻訳)
『世界の十大小説』サマセット・モーム (著), 西川 正身 (翻訳)
『バルザック伝』アンリ・トロワイヤ著 尾河直哉(翻訳)

 

本日の読書会のお題は「バルザック作品との出逢い」。
・トマ・ピケティ著『21世紀の資本』を読んで200年前のフランス上流社会の経済観を古典文学を資料として分析していた点が新鮮と感じ、中でもフランスはバルザック、イギリスはオースティンを取りあげていた事に読書会活動の後押しをされた様に感じ「じゃあ次はバルザック、いってみよう!」(オースティンの読書会は既に開催済)と『ゴリオ爺さん』(ペール・ゴリオ)を初めて読んだらやはり面白かったので、今虜になっている。
・20年以上前に『谷間の百合』を読んだのがきっかけ。『ゴリオ爺さん』の方が面白いと思った。
・映画「大人は判ってくれない」を観て子供の頃フランス人作家バルザックの作品を読んだが、面白くなかった。ただ今回新訳版で読んだらわかった。

本日参加された方々は全員『ゴリオ爺さん』を読了し+各1冊~3冊ほど読まれてきた方々でしたので、『ゴリオ爺さん』からスタートし、登場人物が他の作品で登場する場合は、その作品を紹介するリンク方式で進行してみました。

 

バルザックは「人間喜劇」を構想した際、「悪徳と美徳を総目録を示し、人物を描き、社会史の中から主要な事件を選び出して、同質の人物数名に見られる特性を結び合わせて人間の類型を作り出せば、歴史家がなおざりにしている歴史、風俗習慣の歴史を首尾よく書き上げる事ができるのでないか(世界の十大小説より抜粋)」と閃き計画して次々と作品を世に生み出し、各作品に登場する人物を『ゴリオ爺さん』で描かれる"フランス社会"の中で結びつける試みをしたのでした。

社会の上流から下層階級に所属し、様々な経歴や職業、事情を持つ人々が1つの舞台(『ゴリオ爺さん』ではヴォケール夫人の営む賄いつき下宿屋)に集まり、物語が進行していく「グランドホテル方式」を小説で最初に採用したのはバルザックです。この表現方法は、現代なら映画「タイタニック」ならピンと来る方も多いはず、流行の英国ドラマ「ダウントン・アビー」とか♪

 

『ゴリオ爺さん』で興味のあるor好きな人物は、老ゴリオ氏、ラスティニャック、ヴォートラン、ボーセアン夫人の4人の名前が。
ボーセアン夫人は社交界で高貴な身分にも関わらず、どこか純粋さを残していて、引き際が肝心という事を見事にやってのけた、女性陣に人気の人物でした、あっぱれ!です。そして、悪人達の親分ヴォートラン、彼のラスティニャックに対する親切?がなぜか気になる、という意見がありましたが、それは彼が若い美青年が好きなだけ!という事で納得(笑)。ヴォートランは悪事を働く側の人間として描かれていますが、その中でも"義侠心"を持つ人、日本では清水次郎長みたい!とも思いました。
今回あげられた人物達はそれぞれ他の作品の主人公として、別のシーンでその人生をバルザックによって描かれています。順番に『あら皮』、『幻滅』、『捨てられた女』等々、この辺でまたバルザック作品のタイトルの問題が浮上。『ゴリオ爺さん』はゴリオ氏が主役ではないのだから、ヴォケール館とか、~人々とか原題が「Le Père Goriot」、ならばなぜ「Splendeurs et misères des courtisanes」は『娼婦の栄光と悲惨』とか『浮かれ女盛衰記』?なぜコーティザンにならないのか??古典文学にマーケティングは適用されないのだろうか?タイトルは第一印象。

 

『ゴリオ爺さん』のはじめに、この物語は"All is true."百パーセント真実、と記述されていますが、正にバルザックの経験した一つ一つの出来事や感情を登場人物達を通じて世に表現しているのです。質屋と博打を使ってお金の遣り繰りをしたり、年老いた父にお金の無心をする娘、愛人がいても若い娘と結婚してしうまう侯爵、愛する娘達の替わりに老人の最期を看取る青年達、彼らの中にいつかのバルザックがいる、と考えると作家オノレ・ド・バルザックに興味を持って、弾けた?ちょっと壊れた破天荒で情熱的な男性が残した作品を手に取ることもあるでしょう。

W・サマセット・モームが始めの方(『世界の十大小説』)では「バルザックは天才と呼びたいただ一人の小説家である」と述べているのですが、終わりの方では、「バルザックは最も力を入れた登場人物の俗悪な目的、道徳上の過ちを非難する事は夢にも考えなかっただろう」と、人物バルザックに対して辛口もあるようです。但し、モームが道徳を重んじる英国人である事やフランスとの文化や宗教、上流社会のお作法等の違いを考慮しつつ、自らの恥かしく本来なら隠すべき失敗の数々を、惜しみもなく小説の中の登場人物達を通して、後世の人々に披露してくれた人間バルザックは、眼に黄金の光を湛えた人の良い小太り叔父さん(笑)と寛大に考えてしまうのでした。

バルザックは、小説の中に「お金」の仕組みについての描写が多く、本日の読書会でも当時の貨幣価値を現在の金額に換算しながら話を進めたのですが、経済概念を読者に持たせる機会を与えてくれる作家でもあるのでは?あのニュシンゲン男爵のモデルは仏のロスチャイルド家だそうで、アルザス、踊り子の愛人・・・と聞くとなぜかドガの踊り子の絵画が脳裏をよぎりました。

 

そうそう、なぜバルザックが多作な作家になったか?という答えですが、最初に自分のご褒美を買うために借金をしてお金を遣い、借金を返すために、沢山仕事をこなさなければならない状況に自分を追い込んだ(?)から。結果として莫大な借金を残す事に!この辺は反面教師ということで。><

経済、金融、組織、コミュニケーション、信義、道徳、出世、家族、田園、パリ、社交界、結婚の生理学、純愛等々、気になる人間の類型を見出したなら、どうぞ是非バルザックの作品群から掴むことを試みてくださいませ。

それでは今年最後の会となりました「バルザックの読書会」、ご参加いただいた方々は勿論、長文駄文をお読みいただいた皆様も、今年は色々ありました、大変お世話になり、本当に有難うございました。m(_ _)m

 

また来年、新しいスタイルや嬉しいお知らせもありますので、お楽しみに!
宜しくお願い致します。^^/

 

2015.12.20 Facebook

紹介型読書会「秋の大読書会」を開催致しました♪
参加された皆様、雨上がりの足元が悪い中、読書会にお越しいただき、本当に有難うございました。m(._.)m
久しぶりのジャンルフリーの読書会、参加者10名の方々にお集まりいただき、"大読書会"の名にふさわしく様々な本が集まり、色々お話出来て楽しかったです。
下記は、本日紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含む)

 

『フランス組曲』イレーヌ ネミロフスキー  (著), 野崎 歓 (翻訳), 平岡 敦 (翻訳)
『村上春樹 雑文集』村上 春樹 (著)
『犬養道子自選集』より 「花々と星々と」犬養 道子 (著)
『しない生活 煩悩を静める108のお稽古』小池 龍之介  (著)
『心配事の9割は起こらない: 減らす、手放す、忘れる「禅の教え」』枡野 俊明  (著)
『第七官界彷徨』尾崎 翠 (著)
『職業としての小説家』村上春樹  (著)
『ぼく東綺譚』永井 荷風  (著)
『生きて帰ってきた男――ある日本兵の戦争と戦後』小熊 英二  (著)
『とっておき名短篇』北村 薫  (編集), 宮部 みゆき  (編集)
『「日本人」という、うそ: 武士道精神は日本を復活させるか』山岸 俊男  (著)
『さらば、ヘイト本! 嫌韓反中本ブームの裏側』大泉実成 (著), 木村元彦 (著), 加藤直樹(著), 梶田陽介 (著)
『NOヘイト! カウンターでいこう! 』のりこえねっと (編集)
『打ちのめされるようなすごい本』米原万里 (著)
『塩一トンの読書』須賀 敦子 (著)
『須賀敦子全集〈第4巻〉』須賀 敦子  (著)
『なぜ古典を読むのか』イタロ・カルヴィーノ  (著), 須賀 敦子 (翻訳)
『アリス・B.トクラスの料理読本―ガートルード・スタインのパリの食卓』アリス・B・トクラス  (著), 谷川 俊太郎 (解説), 玉村 豊男 (イラスト), 高橋 雄一郎 (翻訳), 金関 いな (翻訳)
『絶対に見られない世界の秘宝99 』(NATIONAL GEOGRAPHIC)ダニエル・スミス (著), ナショナル ジオグラフィック (編集), 小野 智子 (翻訳), 片山 美佳子 (翻訳)
『アンボス・ムンドス』桐野 夏生  (著)
『白痴』ドストエフスキー (著), 亀山 郁夫 (翻訳)
『チヨ子』宮部 みゆき  (著)

 

本日の読書会のお題は「秋の楽しみ」。「食欲の秋、汗をかかない秋には外ランチ。ランチパスポートをフル活用してお得なランチ巡りが楽しい」「栗、かぼちゃを食べるのが楽しみ」「秋色や秋ものの化粧品や洋服をゲットするのが楽しい」「キンモクセイなど匂いが変わる瞬間が楽しみ」「厚手の黒いタイツがはけるのが嬉しい」「サツマイモが好き、読書の時間が楽しい」「散歩が楽しくなる季節」「鉄道でちょこっと周遊するのが楽しい」「食欲の秋、何を食べても美味しいし、運動が気持ち良い季節」等々、「食べる」ことが一番多く、次に「運動」、「季節感」を感じられる方が多かった模様です。

本日は、海外作家に興味のある方が多く参加され、アリス・マンロー、ドストエフスキー、トルストイ、ジェイン・オースティン、バルザック、ゾラといった名立たる作家の名前が次々登場し、嬉しい会となりました!
また、犬養 道子、尾崎 翠、米原万里、須賀 敦子といった日本を代表する女流作家、随筆家も紹介され、一昔前ではありますが、彼女達の視点や物の考え方や表現力に、ハッとさせられた感があり、"温故知新"をその作品から感じる事ができました。

 

【ちょっこしCMです】
当読書会の2016年の2月、3月の会は、「東京国際文芸フェスティバル2016」(http://tokyolitfest.com/)のオリジナルイベントに参加いたします。詳細は後日2016年1月の第2週目以降、FacebookとWEB上でUP致します。お楽しみに♪

 

村上春樹ファンの方がお2人、2つの作品を紹介されて、一冊目は"風とか感じながらフワッと読むと良い"そうで、二冊目は"小説家を職業として35年間生きてきた村上春樹の移り変わり史が分かる"そうです。村上氏は以前、『村上さんのところ』のWEB上の読者との対談で、"過去に書いた作品は絶対に読み返さない"と言って、読者から非難されていましたが、理由はAという作品を世に生み出したら、僕の中ではAという作品はそれで完結なのだから、次回作のBという新しい作品に全力を注ぎたい、ということを書かれていました。村上氏は、"変わる"という事に全く躊躇がないのですね、過去にも固執しない。そういえば"世の中で最後に生き残れる人間は、強く賢く資産がある人間でもなく、変化に順応できる人間である"と何かで読んだ記憶が頭をよぎり、村上氏の作品は変化することで、読者の分母を大きくしてるのかぁ、レビュアー数が多い作家さんの特徴は"変化"なのだと思った次第です。

 

さて、もう1つ話題になったのは「ヘイト本、ヘイト活動」に関すること。一部のマスコミが大きく取り上げるので、ヘイト運動が大きくなっている様に思えますし、実は問題にするほど大きな運動に展開はしていないのではないか、という事で意見が飛び交いました。
タイムリーな事に、読書会後に日比谷公園を出たところで、隣国の某氏について抗議している団体に出くわしてしまったのですが、「○氏は地球で生きてる資格はない!宇宙でさえも!!」と、車から叫んでいました。(・・;)
ヘイトネタを取り扱うマスコミや出版界は、"売れるから"という理由で数々のヘイト関連本を出版し取り上げるとのこと。この風潮、日本の昭和初期のマスコミ業界の他社との販売競争に負けないように好戦的に書き立てる風潮に似通っていないでしょうか。戦後70年経っても私達
は何も変わっていないのでしょうか、"差別"や"偏見"、"無知"、"社会への不満"が70年前の世界大戦に繋がっていた事を忘れてしまったとか。

面白かったお話は、ドストエフスキーが正教会(東方正教会)の信者だったことから、千代田区神田駿河台にあるニコライ堂での神父(司祭)様のお話に繋がったのですが、「欧米は西洋化したキリスト教で、正教会では結婚式に誓いはさせない、舞い上がった二人に誓いをさせても仕方ないので」とのこと。”なるほど!!w(゚o゚*)w”でした。(笑)


また、宮部みゆきさんが着ぐるみを着ている写真を拝見したのですが、"着ぐるみを着ると縫いぐるみの気分になれる(『チヨ子』)"そうです。・・・という事は、「そうか、自分とは反対の立場や異なる意見を持っている人物や対象物の着ぐるみ的なものを一度その身にまとってみると、その人やものの気持ちや立場が理解できるのか」なんて考えてみたり?出来れば着ぐるみなしで、相手の立場や仕組みを理解して上手に世の中を生きてゆきたいものだなぁ、と"異なる事"、"多様性"、"変化"について諸々考えさせられた「秋の大読書会」となりました。

 

ご参加いただいた皆様、本日は有難うございました。m(._.)m
また次回お話できるのを楽しみにしております。^^/

11月15日(日)14:00~開催 

紹介型読書会「秋の大読書会」

 

第6回ジェイン・オースティンの読書会 『分別と多感 』を開催致しました。

本日の読書会会場は、横浜市中区山手町にある西洋館。そして会場お隣のチェリーサンドが有名な「えの木亭」でランチ会後に、読書会を開催する運びとなり、普段読書会で話せない事もお話出来て、楽しい会となりました。☆^^☆
お天気は曇り空ではありましたが、横浜山手地区の素敵な空間で、ジェイン・オースティンの6作品目を無事読書会で取り上げる事ができ、感慨無量です。
参加者の皆様、遠い会場にもかかわらず、本日はお越しいただき、また色々お手伝いいただき、手作り感満載の読書会を持てた事、大変感謝しております。本当に有難うございました。m(_ _)m

 

さて、本日の読書会のお題は『分別と多感 』で一番印象的なor好きな人物。
好きな人物:エリナー 2人、マリアン 2人、ジェニングス夫人 1人
印象に残る、興味のある人物:パーマー夫人、ジェニングス夫人、パーマー氏、ルーシー、ウィロビー、と各自印象に残った人物は分かれた模様です。『分別と多感 』はオースティン作品の中でも登場人物が一番多い作品のため、注目する人物像が分散したのかもしれません。

今日は、参加者全員の方が中野 康司氏が翻訳した『分別と多感』ちくま文庫を読了して持参、参加者のお1人は、オリジナル製本を持参されていました~すごいw(*゚o゚*)w♪


そして、以下は皆さんの『分別と多感』を読んだ感想や印象に残った場面等々です。

■11章 エリナーとブランドン大佐がマリアンについて話をする場面で、姉のエリナーが妹マリアンの性格を詳細に分析しているところが凄い!たった2歳違いなのに・・・
■ブランドン大佐のマリアンに対する想いが直接的ではない。
■エリナーvsマリアンでは、2つの異なる資質を2人の姉妹に反映させているが、分別を持つ姉のエリナーに作者は軍配を上げている。
■エドワードとエリナーの具体的な交流場面が少ない。エドワードの描写がとても少ないと思う。
■オースティンの作品は何が面白いのか、人物増の描写が細かくて、どうやって生きたら幸せに慣れるのか、考えながら読むのが楽しい。
■48章 エリナーに対峙する時のエドワード、ハサミのケースを切り刻んで台無しにしちゃうところ、なんだかカワイイ。

 

47章で母親のダッシュウッド夫人が姉のエリナーに対して、妹マリアンに比べると母親として実に不公平な接し方をしてしまったと悟る場面があります。参加者一同が共感、たとえ母親といえども超能力者でない限り、自分の娘が何を考え、何を隠し、誰のために行動しているのかまでは、目で見た事実からでしか判断できないものですね。そして姉のエリナーは、家族や他者への配慮から自身の不幸な境遇はじっと我が身にしまって、1人で抱えて堪えていた、この事に母親が気が付いた時、母親として自分の娘に申し訳ない気持ちと一層愛おしさを感じるのではないでしょうか。そして妹マリアンは、自分だけが辛いと思い込んでいた期間、姉のエリナー自身も辛いにもかかわらず、なおかつ妹の辛い境遇まで一緒に付き合ってくれた事実を知って、姉に助けられていた事をようやく悟り、成長をしていく、この三人では、エリナーが一番お母さんにふさわしい存在かも。
"お母さん"という存在では、ジェニングス夫人に人気が集中、お世話を焼く善良な母親像という事で後半に好感度UP。

恋愛模様では、ブランドン大佐は昔の婚約者のイライザの娘のイライザに恋愛感情を持たなかったのはなぜか?や、アンと○○博士のその後は?等々、オースティン作品につきものの"読者の想像力にお任せ!"的な項目が多々あげられましたが、この辺りも参加者の方々とあれこれ推測や読み取り感、意見交換できるのが読書会の醍醐味なのでしょう♪

 

 

 

今回課題本の『分別と多感 』はオースティンが20歳の頃から書き始めた長編の第一作目。6作品中最後の課題本に第一作目を取り上げたのですが、他の作品に繋がる人物像も多くみられ、後に続く作品の元祖として改めて、第一作目にしてここまで、細かい人物描写をしている事に驚き、作者の力量を実感した次第です。

18世紀末から19世紀初頭、理性よりも感情を全面に表すロマンティックを尊ぶ風潮が世間では支持を集めていた時代、ジェイン・オースティンは二十歳にして既に、分別と多感では、分別がある者は「感情を抑制する事が出来る」そして何よりも「他人への配慮が出来る」という道徳上の基本が出来ているものとして、作品のいたるところで、エリナーの言動を通して「感情に左右された言動があらゆる揉め事を起こし、周囲への不愉快を撒き散らす源である」と、読み取ることができます。

『ノーサンガー・アビー』はゴシックロマンスのパロディ、『マンスフィールド・パーク』では道徳心を強く作品の中で強調したジェイン・オースティンは、"世にもの申す戦う作家"だったのかもしれません。
この偉大な女流作家の長編6作品を読書会で取り上げる事が出来、丸3年間当読書会を継続する事が出来て、主催者としては大変嬉しく、これまでご参加いただいた皆様、本当に有難うございました。m(_ _)m

来年以降もまた、第2シーズンの「ジェイン・オースティンの読書会」を開催する予定です。
スピンオフの読書会は2016年2月に開催、またお話できるのを楽しみにしております。
宜しくお願い致します。^^/

10月11日(日)14:00~開催 

第6回ジェイン・オースティンの読書会 『分別と多感 』

 

8月16日(日)14:00~開催 

テーマ型読書会「1945年-戦争と平和」

 

テーマ型読書会「1945年-戦争と平和」vol.3を開催致しました♪
参加された皆様、お暑い中を読書会にお越しいただき、本当に有難うございました。m(._.)m
下記は、本日紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含む)

『満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉』加藤 陽子  (著)
『暗い絵・顔の中の赤い月』野間 宏  (著)
『真空地帯』
『昭和天皇独白録』
『野火』大岡 昇平  (著)
『レイテ戦記 』大岡 昇平  (著)
『総員玉砕せよ!』水木 しげる  (著)
『アジア・太平洋戦争―シリーズ日本近現代史〈6〉』
『「昭和天皇実録」の謎を解く 』半藤 一利 (著), 御厨 貴 (著), 磯田 道史 (著), 保阪 正康 (著)
『山中放浪―私は比島戦線の浮浪人だった』今 日出海 (著)
『アンネの日記』アンネ フランク (著), 深町 眞理子 (翻訳)
『沖縄戦いまだ終わらず』佐野 眞一 (著)
『20世紀最後の戯曲集』野田 秀樹  (著)
『太鼓たたいて笛ふいて』井上 ひさし (著)
『放浪記』林 芙美子  (著)
『フランス組曲』イレーヌ ネミロフスキー  (著), 野崎 歓 (翻訳), 平岡 敦 (翻訳)
『夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録』V.E.フランクル (著), 霜山 徳爾 (翻訳)
『カチンの森――ポーランド指導階級の抹殺』ヴィクトル・ザスラフスキー  (著), 根岸 隆夫 (翻訳)
『永遠の0』百田 尚樹  (著)
『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』高瀬 毅 (著)
『黒い雨』井伏 鱒二  (著)
『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下』オリバー・ストーン (著), ピーター・カズニック (著)他

 

 

本日の読書会のお題は「今年の夏休み」でした。「8月末に盛岡の読書会に参加し、盛岡観光をする」「江戸川橋にある細川家の美術館を訪ねる」「宮城のお友達をぬいぐるみ交換をする予定」「リバプールというライブハウスでビートルズの音楽を聴いた」等々、夏休みはこれから♪の方が多かったかも?

前日の8/15(土)は終戦から70年という事もあり、正午の黙祷をされた方も多かったことと思います。
全国戦没者追悼式での天皇陛下おことば、安倍首相の全国戦没者追悼式の式辞の全文や閣僚の靖国神社への終戦記念日の参拝など、日本はもとより諸外国でも報道され話題になった日でもありました。
本日の読書会は、"終戦記念日から何を思うか"を参加者の方達と語り合うテーマ型読書会で、今年の8月で三回目を迎えることが出来ました。大きいテーマなだけに、第二次世界大戦にとどまらず、その原因を考えると第一次世界大戦からの世界情勢や、各国を取り巻く経済圏、環大西洋、環太平洋地域での植民地化や制海権、世界大恐慌の影響や共産主義への脅威など、世界規模での視点から始まり、民族主義、半宗教主義、全体主義の話題が提供され、w(゚o゚)wまだまだ知らない事が沢山あったと驚きもし、"人類って、人間って、国家とは?、個人にとっての信条とは何処に基づいたものなのか??"などと哲学する場面も多々ありました。
70年前の日本軍の戦闘、戦略を欧米の軍隊の配備や考え方と比較すると、"物資の補給"の点では、あまりにも計画性の質や水準で違いが目立ち、差が大きすぎる!!という事が話題になりました。
日本は明治時代に富国強兵を急ピッチで進めたために、物資に恵まれた(当時の欧米とは比較になりませんが)と思われる時代は僅か数十年、一方欧米では数世紀は"物質的文明"を経験していた世界であったため、この"物資に対する免疫力"で日本は負けており、不足している点は"成せばなる、成さねばならぬ~"精神論で頑張らざるをえなかったのかも。(w_-; 

現在の日本は資源こそ少ない工業立国ですが、物(資)は欧米並みにあり豊かな国としての認識があります。但し、その物資の原料は何処から供給されているのでしょうか。万が一、資源原産国と関係が悪化して、資源不足となった時、豊かさに慣れた現在の日本人はどう考え、一体どんな行動するのでしょう。
数ある戦争関連の書籍から、70年前の世界大戦は、「資源を巡っての戦いだった」と気付かされます。
果たして、我々現代の日本人は過去の教訓を生かして、70年前と異なる"戦争を回避する"新しい解決法を見つけ出すことができるでしょうか。この戦後70年間は、同じ過ちを繰り返さないための叡智を養う時間と考えて、謙虚に限りある資源や自然の恩恵も考えながら、"日本人だから出来ること"で調和を保っていけたらと考えます。
戦争は絶対しない!!同じ事を繰り返すならば、私達は学習しない民族になってしまうから。
読書会の最後の発言をご紹介します「戦争の歴史は忘れてはいけない!」

本日ご参加いただいた皆様、沢山の本と史実に基づいたお話、本当に有難うございました。m(_ _)m

7月19日(日)14:00~開催 

紹介型読書会「ミステリな読書会」

 

紹介型読書会「ミステリな読書会」を開催致しました♪

梅雨明けの日比谷公園は夏到来、参加された皆様、お暑い中を読書会にお越しいただき、本当に有難うございました。m(._.)m

下記は、本日紹介された本のリストとなります。(順不同、口頭紹介も含む)
『スナーク狩り』ルイス・キャロル(著),トーべ・ヤンソン (イラスト), 穂村 弘 (翻訳)
『スナーク狩り』ルイス・キャロル(著), 河合 祥一郎 (編集), ヘンリー・ホリデイ (イラスト),高橋 康也 (翻訳)
『ミヒャエル・エンデのスナーク狩り―L・キャロルの原詩による変奏』ミヒャエル エンデ (著),丘沢 静也 (翻訳)
『煙か土か食い物 』舞城 王太郎 (著)
『水木しげるの古代出雲』水木 しげる (著)
『古代天皇陵の謎を追う』大塚初重 (著)
『邪馬台国をとらえなおす』大塚 初重 (著)
『怪談』小泉八雲
 『ビアス怪談集』アンブローズ・ビアス (著),中西 秀男 (翻訳)
『ザ・ベスト・オブ・サキ』サキ(著), 中西秀男 (翻訳)
『半七捕物帳』岡本 綺堂(著)
『影を踏まれた女』岡本 綺堂(著)
『中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇』中沢 彰吾(著)
『サクリファイス』近藤 史恵(著)
『すべてがFになる』森 博嗣 (著)
『黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集』エドガー・アラン ポー (著),巽 孝之 (翻訳)
『ミステリーの書き方』日本推理作家協会 (著)
『最後の魔女アンナ・ゲルディン』エヴェリン・ハスラー(著),島田 洋子(翻訳)
『神の左手悪魔の右手』楳図 かずお (著)
『あの薔薇を見てよ―ボウエン・ミステリー短編集』エリザベス ボウエン(著), 太田 良子 (翻訳)
『レイチェル』ダフネ・デュ モーリア(著),務台 夏子 (翻訳)
『人生の選択 だからあなたはうまくいく! 』越智啓子 (著)
『ギルドの系譜 シグマフォース シリーズ⑦ 』ジェームズ・ロリンズ (著), 桑田 健 (翻訳)
『魔女の血族』デボラ・ハークネス(著),中西和美 (翻訳)

本日のお題は「私の不思議体験」。「青森のイタコさんに降霊をお願いした」「年金手帳を紛失」「金銀の衣装に身を包んだ不思議な人を見かけた」「昔のアルバイト時代に出会った人に、会社の給湯室で声をかけられた」「両国にある東京都慰霊堂(関東大震災時、東京大空襲の犠牲者の御遺骨を納めた霊堂)では何か変な感じがする」「オカルト系や霊は全く信じないが、職場の"図書館の怪談"があるという話は聞いている」「5年前に亡くなった祖父から名前を呼ばれた」「座禅をしている際に"無"、"空"の状態(境地)を感じたことが一度ある」
 

不思議な体験というと霊的な体験を思い浮かべる方が多いのでしょうか。五感以外の第六感(五感以外のもので五感を超えるものを指しており、理屈では説明しがたい wiki)は、人類が文明社会を保持する以前、身の安全を委ねる判断をする際に本能的に活用し発達していた感覚で、比較的安全が確保された現代社会では、研ぎ澄まして使う必要はないのかもしれません。但し、物事の本質を考えるとき自分の第六感を使ってみると、(自身にとっての)真実に近づく指標となる場合もあり、あながち現代でも不要なものとも言い切れない感覚と思います。

さて本日話題になったのは、ミステリ作品の文体(句読点なし等)の実験、不思議を表現する際の効果的な文章、周知の事実を利用して読者に結末を推測させる作者の仕掛け方、1つの海外ミステリを世界中の翻訳家が訳しイラストを挿入し展開するグローバル本、物語の主軸の置き方、東西の怪談比較(日本の怪談は原因に基づく怖い結果)、マイナス的美学への執着、そもそもミステリって何?他、ミステリ作品の技巧や構成に話が集まりました。
その中で、日本古代史、考古学分野で紹介のあった未調査の859基の古墳墓が存在するというお話は新鮮で、京都の地下鉄運賃が高いのは何故か?⇒工事中に遺跡が発掘された影響で度々中断して建設費が予想を超えたため等、現代の"謎"を1つ説くことにつながりました。^^/

ミステリ作品はクリエイティブで、ミステリは"Not known the facts."

 

今年も暑い夏になりそうな気配です、本日ご紹介いただいた作品で「クール・リーディング」に取り組みたいと思います。

ご参加いただいた皆様、たくさんの本のご紹介、有難うございました。^^/

 

 

こんばんは。▼o・_・o▼♪ 第5回ジェイン・オースティンの読書会 『ノーサンガー・アビー』を無事開催致しました。

本日の読書会会場は、本郷三丁目にある創業350年の金魚屋さんが営む喫茶店「金魚坂」で開催。お店の隣では、本物の金魚の水槽があり、色とりどり、種類豊富なかわいらしい金魚達が元気に泳いでおりました。金魚すくいも1回300円でできるので、金魚が好きで、飼いたい方には楽しい空間です♪

さて、本日の読書会のお題は『ノーサンガー・アビー』で一番印象的なor好きな人物。参加者の方々が挙げた人物で一番多かったのは、キャサリンとジョン・ソープが3名、ヘンリーが2名、イザベラが1名でした。ジョン・ソープは"しょうもない人"系で印象が強かった模様です(笑)。

偶然にも今日は、参加者全員の方が中野 康司氏が翻訳した『ノーサンガー・アビー』ちくま文庫を読了して持参、ページ合わせがとても楽でした。^^/

 

そして、以下は皆さんの「印象に残った場面は?」です。

■13章 ミス・ティルニーとの約束を二度も破ることになってしまい、ティルニー兄弟を精一杯早足で追いかけて、家の召使の取次ぎも飛ばして、部屋に駆け込み必死の釈明を試みたキャサリンのひたむきさに共感した。また自分の取った行動は本当に正しかったのか、年長者のアレン氏に相談して、1つずつ問題を解決していくキャサリンの姿は、若者の成長過程や悩みを上手く描写していると感じた。

■『ノーサンガー・アビー』は、ジェイン・オースティンの他の作品と違って作者の意見や主張が、作品の所々に多く見られて面白い。

■作者の、キャサリンやアレン夫人の描写が辛らつで、更に"男性は女性の服に興味がない"という世間一般的な現代にも通ずる事実を言い当てているところがすごい。

■向こう見ずなキャサリンの一生懸命さには、ヘンリーを振り向かせる力があったのではないか。イザベラは"本当に自分が何が欲しいか分からない"のだと思う。

■作者ジェイン・オースティンの意見が強く出ていて、何度もまたか!と思う(キャサリンが駅馬車でフラートンに帰された時)が、オースティンの勢いを感じる作品だと思い、オースティン作品の中でのランキングUP。

■25章 キャサリンのイザベラに対する残念な気持ちを聞いた時、ヘンリーはキャサリンの中に真っ直ぐさや、性質の良い側面を見出す。キャサリンの人として、約束を守りたいという義理堅さに純粋さを感じた。

 

参加者の方から、オースティン作品の主人公(ヒロイン)には能動的もしくは受動的な2つのタイプに分かれるとのご意見があり、その分類は、以下との事。

能動的:

 ・キャサリン(ノーサンガー・アビー)

 ・エリザベス(高慢と偏見)

 ・エマ(エマ)

受動的:

 ・アン(説得)

 ・ファニー(マンスフィールド・パーク)

 ・エリナー(分別と多感)

 

皆さんも同感!でした。受動的なヒロインが登場する作品は後期の2作品、ジェイン・オースティンも中年となり、作風も円熟を増し、"待つ"という心情を、その人生の中で理解した時期に創作したのでしょうか。

今回課題本となった『ノーサンガー・アビー』は、ジェイン・オースティンが20代の時に創作した作品で、その不幸な出版履歴から書き直す期間を持つ事ができず、一番若書が残っている作品と言われています。きっと作者の意見や主張が作品の所々に見られるのは、若く意欲満ち溢れる若手作家の熱意の表れなのかも。

 

 

 

 

『ノーサンガー・アビー』は、当時英国で流行していたゴシックロマンスファンへの警告か、アン・ラドクリフ夫人著『ユードルフォの謎 The Mysteries of Udolpho』のパロディで、"ゴシックへの偏愛は、人間への正しい理解の目を曇らせる"という事を、キャサリンという17歳の田舎育ちで無知ではあるが、性質の良い少女の成長を通して、読者に伝えたかったでしょう、よって未来の夫のヘンリーはご指南役といったところ?

物語の中で、キャサリンが失敗して、覚醒して、反省する場面が3つほどあります。何れも羞恥心を強く自覚する場面ですが、読者がキャサリンに好感を持つのは、"失敗しても、自分を許して、これまで以上に幸せになる事だ"と、前向きに気持ちの整理ができる所なのだ思いました。

『ノーサンガー・アビー』は、ゴシックロマンス、怪奇小説とリンクする等、ジェイン・オースティンの作品群の中でも異色な存在です。出版歴から見ても何か陰謀めいた裏事情も推測されますが、ここはジェイン・オースティンファンとして、作者が読者に贈ってくれたキャサリン・モーランドという一途なヒロインが大人になる過程を見守り、彼女の「果たして自分は完全に正しかったのだろうか」という純粋な問いかけを、自身でも日々忘れない様に生きていきたいものです。

 

今回は、参加者の皆さんから、多方面に渡り、色々なご意見をいただき、楽しい会となりましたこと、大変感謝しております。また会場変更やグループメンバー参加などに、ご協力いただいて、本当に有難うございました。m(_ _)m

 

次回の第6回ジェイン・オースティンの読書会 『分別と多感』は、10月に開催、会場は素敵な洋館です。またお話できるのを楽しみにしております。

宜しくお願い致します。^^/

 

6月21日(日)14:00~開催 

  第5回ジェイン・オースティンの読書会 『ノーサンガー・アビー』

 

5月17日(日)14:00~開催 紹介型読書会「『旧約聖書』の中から」

 

紹介型読書会「『旧約聖書』の中から」を開催いたしました。
本日は会場変更で初めて利用させていただいた「エクセルシオールカフェ 新橋2丁目店2F」で開催、店内151席、新橋駅から徒歩3分の立地で、日曜の午後でも比較的お席の確保がし易く広々とした店内は、休日のカフェ読書、カフェ勉強にぴったりのお店と思いました。

下記は、参加者の方々の読本リストです。(順不同)一部口頭のみの紹介含みます。

 

『エデンの東 』 ジョン スタインベック (著),大橋 健三郎 (翻訳)
『ケインとアベル』 (上下)ジェフリー アーチャー (著), 永井 淳 (翻訳)
『ジロドゥ戯曲全集〈第5巻〉カンティック・デ・カンティック、ソドムとゴモラ、オンディーヌ』ジロドゥ (著), 鈴木 力衛 (編集), Jean Giraudoux (原著), 内村 直也 (翻訳), 安堂 信也 (翻訳), 矢代 静一 (翻訳)
『ヨブ記講演』内村 鑑三 (著)
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー (著), 亀山 郁夫 (翻訳)
『カラマーゾフの兄弟―まんがで読破』ドストエフスキー (著), バラエティアートワークス
『そうか、君はカラマーゾフを読んだのか。: 仕事も人生も成功するドストエフスキー66のメッセージ 』亀山 郁夫 (著)
『聖書』旧約聖書・新約聖書 日本聖書協会
『古代ユダヤ教 』マックス ヴェーバー (著), 内田 芳明 (翻訳)
『ユダヤ古代誌〈1〉旧約時代篇』フラウィウス ヨセフス (著), 秦 剛平 (翻訳)
「『旧約聖書』 2014年5月 (100分 de 名著) 」NHK出版 
「pen」6/1号No.383 "もっと知りたい、宗教のこと。"
「pen BOOKS」019 "ユダヤとは何か。"

※ご紹介いただいた本の写真を撮るのを忘れてしまいました><。写真は主催者の本です、ご容赦をm(._.)m

本日の読書会は、『旧約聖書』の内容を著作の中に引用、影響を受けて書かれた本を持ち寄り、その本に記述されている『旧約聖書』の内容を参加者の皆さんでシェアする趣旨のもの。普段ほとんどの日本人は『旧約聖書』を開くことはないと思いますが、名作名著から「その話は『旧約聖書』からの引用もしくは影響を受けている」という角度で紹介された作品をシェアすると、なるほど、登場人物の名前に聖書の中の人物と同じ名前が使われ、作者は読者に対して、物語のある結末を示唆し、予測を促す働きを狙っているのが分かります。

以下は例です。登場人物名:人物の続柄と説明「聖書内の人物名(旧約聖書出典)」
        
・『エデンの東 』
ケイレブ(キャル):弟「カイン(創世記)」
アダム:父「アダム(創世記)」
アロン:兄「モーゼの兄(出エジプト記)」
・『ケインとアベル』 
ケイン:銀行家で名門一族の一人息子 
アベル:ポーランド生まれ、ロスノフスキ男爵の私生児
・『カラマーゾフの兄弟』
イワン:次男「ヨハネ(ヨハネ福音書)」

 

仏の劇作家で小説家のジャン・ジロドゥの戯曲ソドムとゴモラのご紹介では、"世界の終り"と"夫婦の終り「サムソンとデリラ(士師記)」"がかけてある点が、救いようがなく面白かったです。(笑)
そして一番の話題となったのが、『ヨブ記』(正しい人に悪い事が起きる、すなわち何も悪い事をしていないのに苦しまねばならない、という『義人の苦難』というテーマを扱った文献として知られている[wiki])
『ヨブ記』を『カラマーゾフの兄弟(ロシアの修道僧)』の記述から簡単に抜粋しますと、
「ウズの地に住まう心義しい、信仰心に篤い男が、七人の息子と三人の娘、そして多くの財産を持って、平穏に暮らしていました。ある時、神が「私の忠実な僕であるヨブ」について、サタンに自慢げに話をしました。サタンは「いくらヨブでも財産や愛する者たちを失えば、神を呪うことになるでしょう」と神を挑発し、神はヨブをサタンにあずけてしまいます。サタンによって、財産や子供達を失ったヨブでしたが、決して神を呪うことはしません。サタンはこの失敗後も「肉体に苦痛を与えたら、ヨブは神を呪うでしょう。」と再び神を挑発し、ヨブに肉体的苦痛を与える許可をもらい、ひどい皮膚病でヨブを苦しめるのでした。」

 

ここまでで、神はなんてひどい許可をサタンに与えたの?等々意見が出ます。

 

ひどい皮膚病にかかったヨブは、奥さんからも「神を呪って死になさい」とまで言われ、遠方から来た3人の友人達からは「何か悪い事をしたのではないか?(因果応報)」と突き詰められますが、善き人ヨブには全く身に覚えのない言いがかりです。ヨブは自らの神に対する潔白を主張し、なおかつ正義を盾に引き下がりません。この3人の友人とヨブの押し問答を見ていた神は、「神には計画があり、人間が世界の中心にいるのではなく、世界は災いではなく、すべては神の支配下にある」と説き、ヨブは小さい存在である自身を認め、新たな発見があり、神に出会えた喜び、神の正義も災いも、無償の愛に起因して、無償の愛の中に成立している、「神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか。」と再認識後、神の祝福を再度受けたヨブは、失った財産を二倍にされて返され、子供達も生まれ、余生は繁栄を取り戻したのでした。

「ああ、神様!"私の創ったものは良い”という事を証明なさるのに、善き人ヨブをここまで、追い詰め苦しめるとは!?」や「試練を与えた神よりも耐えたヨブの方が偉大」など様々なご意見がでましたが、これ以上は深淵 σ(^_^;)、ここまでとして、素人の読み解きですので、また後日。異文化、他宗教を理解する必要性に気付いた我々でした、神さまお許しくださいませm(_ _)m

 

日本人の宗教観は、世界の他国の方々とは異なる感覚を持つと言われていますが、「ある特定の立場だけが正しい立場と考える」事はせず、多宗教への理解も示す柔軟さを持ち合わせる民族が日本人です。あまり深く考えない民族、と言い換えられるかもしれませんが。この辺の参考URLは↓を、楽しいお話が聞けますよ(笑)
http://logmi.jp/34073

https://www.youtube.com/watch?v=8mAPA3YKC_A&feature=youtu.be&list=PLxSesK1iqg1CAKWi3vrQmg5YH8D7AYQMq

 

本日の紹介型読書会「『旧約聖書』の中から」、少しでも、今後の皆さんの人生の糧となりましたら、幸いです。
ご参加いただいた皆様、本日は楽しい一時を有難うございました。^^/

[イベントページ欄投稿]

 

こんばんは▼o・_・o▼♪ 紹介型読書会「『旧約聖書』の中から」を開催いたしました。
本日は、急な会場変更にもかかわらず、ご参加いただき、ありがとうございました!
さて今回のお題は、「好きな諺、格言」です。

 

・『七転び八起き』
⇒何度失敗しても、諦めずに立ちあがることのたとえ。浮き沈みの激しい人生のたとえ。

 

・『陽気な心は、薬のように人のためになる。』
(箴言17章22節)「陽気な心は健康を良くし、陰気な心は骨を枯らす。」
⇒ポジティブシンキングが何よりの薬!

 

・『やってしまえ、それでお終いなら、さっさとやってしまった方がいい』
(シェークスピア『マクベス』)
⇒物事を先延ばしにするな!

 

・『自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ』
リクルート社訓

⇒日々学んで変わっていきたいです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月19日(日)14:00~開催 海外文学読書会「フランス人作家の会

 

こんばんは▼o・_・o▼♪ 本日、海外文学読書会「フランス人作家の会」を開催いたしました。
今回は初参加の方が多く、フランス人作家の作品を通じ、各自の興味のある分野で語り合い、同じ時間を共有できた事、とても嬉しく思いました。
参加された皆様、本当に有難うございました。m(._.)m
 
下記は、参加者の方々の読本リストです。(順不同)一部口頭のみの紹介含みます。

 

『異邦人』カミュ (著), 窪田 啓作 (翻訳)
『ペスト』カミュ (著), 宮崎 嶺雄 (翻訳)
『ボヴァリー夫人』G・フローベール (著), 生島遼一 (翻訳)
『ゴリオ爺さん』バルザック (著), 平岡 篤頼 (翻訳)
『ペール・ゴリオ パリ物語 「人間喜劇」セレクション (第1巻)』バルザック (著), 鹿島 茂 (翻訳)
『黒いチューリップ 』アレクサンドル デュマ (著),宗 左近 (翻訳)
『その女アレックス』ピエール ルメートル (著), 橘 明美 (翻訳)
『死のドレスを花婿に』ピエール ルメートル (著), 吉田 恒雄 (翻訳)
『星の王子さま』サン=テグジュペリ (著)
『モンテ・クリスト伯』アレクサンドル デュマ (著)
『バルザックと小さな中国のお針子 』ダイ・シージエ (著), 新島 進 (翻訳)
『不滅』ミラン クンデラ (著),菅野 昭正 (翻訳)
『イヴォンヌの香り』パトリック・モディアノ (著), 柴田 都志子 (翻訳)
『八月の日曜日』パトリック モディアノ (著),堀江 敏幸 (翻訳)
『地中海の記憶―先史時代と古代』フェルナン・ブローデル (著), 尾河 直哉 (翻訳), ロザリーヌ・ド・アヤラ ポール・ブローデル
『愛人(ラマン)』マルグリット デュラス (著), 清水 徹 (翻訳)
『悲しみよこんにちは』フランソワーズ サガン (著), 河野 万里子 (翻訳)
『愛の妖精』ジョルジュ サンド (著),宮崎 嶺雄 (翻訳)
『サルトル―実在主義の根本思想 (中公新書 124)新書』矢内原 伊作 (著)
『革命か反抗か―カミュ=サルトル論争』佐藤 朔 (翻訳)

今回は"フランス人作家"という括りだったので、フランス語で発表された他国籍の作家さんの作品を除外してしまったのは残念でした。"フランス文学作品"とすれば、もう少し範囲が広がって更に面白かったかも。
下記の作品も是非ご紹介したかった!!と思われた方もいらしたのに。

■アゴタ・クリストフ(ハンガリー)『悪童日記』★第二次世界大戦下のブダペストで双子の兄弟の家族生活を描いた作品。

■イレーヌ・ネミロフスキー(ロシア)『フランス組曲』★第二次世界大戦下のフランス、パリ在住の一家の避難生活を描いた大作。ネミロフスキーの死後60年後に発表され、奇跡的な出版で話題になった作品。

■ナンシー ヒューストン(カナダ)『天使の記憶』★アルジェリア独立運動があった時代、第二次世界大戦の爪あとに家族を引き裂かれた過去を持つドイツ人女性が、フランス人フルート奏者の男性と結婚、一人息子に恵まれるが、ユダヤ系ハンガリー人と恋に落ち、幸せに見えていた一家に悲劇が訪れる。

※第二次世界大戦中、東欧諸国からフランス、スイスに亡命したユダヤ人や思想家の方々が多く存在し、その人々は母国語よりもフランス語を習得しなければ生活出来なかった歴史的な背景を持っていました。また北米でも17世紀にフランス、イギリスから移民が移住したため、フランス語文化圏は現在でも北米、特にカナダ(ケベック)、米のルイジアナ州に残っています。

フランスには現在でも階級社会が存在し、古典文学からもその社会的背景を数百年に渡り、読み取る事が出来きます。バルザックの『ゴリオ爺さん』では年収が少ない男爵家の長男が、莫大な資産を持つ上流階級の縁故を利用し、いかに立身出世を遂げるかを描いており、昨年話題になったトマ・ピケティ著『21世紀の資本』でも、相続財産の価値に注目しています。つまり生家の収入や家柄財産で、人の人生が決まってしまう社会が存在した、または存在するという事。その中でも『異邦人』『ペスト』の名作を残したカミュは異色の存在で、彼の生い立ちでは教育を身につけていく事は難しい境遇でしたが、カミュの才能を認めた恩師達によって、教育を受ける機会を与えられ、「不条理」という概念を著作の中で訴え、世に功績を残す作家となったのでした。

読書会で初めて耳にした作家ダイ・シージエの『バルザックと小さな中国のお針子』は、2002年にフランス・中国の合作で「小さな中国のお針子」(戴思杰 ダイ・シージエ監督・脚本)として映画化されました。そして今回紹介された半分以上の作品も映画化されています。
話題になったのは、「原作から映像作品、その逆から作品を味わう、どちらが良いのだろう??」という事。作品によっては、映像作品では脚本家が原作を書き換えて、異なる筋書きになってしまったり、出演する俳優や女優に合わせた物語に変更されたり、映像作品は必ずしも原作に忠実なわけではない、という事でした。但し映画のヒットで原作者名を知る事も出来るので、映像化の影響は大きいです♪ 以下例です。
・「存在の耐えられない軽さ」クンデラ原作
・「三銃士」デュマ原作
・「レ・ミゼラブル」ユーゴー原作

「フランス人作家の会」では、古典文学が多く紹介されたため、フランス史の話や、フランス文学での愛の取り扱い方が英米文学とは何か違う!といった話題、現代の仏社会の婚姻、家族問題、女性活用問題等々幅広い話に繋がりました。
フランスから日本人が学ぶべき点は数多くあるのではないでしょうか。

次回の海外文学読書会は、12月に「バルザックの読書会」を企画いたします。バルザックの「人間喜劇」、とても楽しみな作品群です。
宜しくお願い致します。^^/

【Facebook page】https://www.facebook.com/events/1543142705944849/

 

こんばんは▼o・_・o▼♪ 海外文学読書会「フランス人作家の会」を開催いたしました。
今回は初参加の方が多く、フランス人作家の作品を通じ、各自の興味のある分野で同じ時間を共有できた事、とても嬉しく思いました。
参加された皆様、有難うございました。m(._.)m

本日のお題は「このフランス人作家との出逢い」でした。


・映画『イヴォンヌの香り』を観ており、2014年ノーベル文学賞受賞した事でパトリック・モディアノの原作を読むきっかけを得た
・大学時代、歴史を勉強していたが、哲学科のサルトル信奉者から「サルトルを読め!」と言われて読み始めた
・劇やミュージカルで興味を持つことになったアレクサンドル・デュマの作品群
・本屋大賞翻訳小説部門1位となったピエール・ルメートルの作品に興味を持った
・「100分で名著」カミュについてツイートしていた
・サン=テグジュペリ 『星の王子さま』は読み返すごとに新鮮な発見がある
・ミラン ・クンデラの全盛期の『不滅』を課題本に読書会を開催予定

 

参加者の皆さんのフランス人作家の作品との出逢いは様々、今回はフランス文学作品から「エスプリ」なるものを味わう良い機会となりました。
有難うございます。♪

最後にお知らせしましたフランス関連のコミュニティサイト『ふらんぽん』(フランス+ジャポン)は、女性限定サイトでスタート予定とのこと。興味のある方は5/19に"ふらんぽん"でググッてみてくださいね。
宜しくお願い致します。

TOPページに読書会のまとめを掲載しました。↓も覧くださいませ。
https://www.facebook.com/BCTFH

次回の海外文学読書会は、12月に「バルザックの読書会」を企画いたします。こちらもどうぞ宜しくお願い致します。^^/

3月15日(日)14:00~開催 紹介型読書会「春の読書会」

 

紹介型読書会「春の読書会」を開催いたしました。♪
本日の読書会では、イベント写真に使用させていただいた、世界の子供達が学んでいる写真4枚を提供していただいた「世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)」さんの活動のご紹介と、募金箱を設置しての開催でした。
ご参加された皆様、ご援助いただき、ありがとうございました。m(._.)m 責任を持ってACEさんに募金をお届けいたします。 

下記は、参加者の方々の読本リストです。(順不同)

 

『子どもたちに幸せを運ぶチョコレート: 世界から児童労働をなくす方法』白木 朋子 (著)
『光あるうち光の中を歩め』トルストイ (著)
『僕らの人生を変えた世界一周』TABIPPO (編集)
『悲しむ力 深く悲しまない人間は幸せになれない 』大越 俊夫 (著)
『野心のすすめ』林 真理子 (著)
『ヒキガエル君、カウンセリングを受けたまえ。』ロバート・デ・ボード (著)
『たのしい川べ』ケネス・グレーアム (著), E.H.シェパード (イラスト)
『アイデアが枯れない頭のつくり方』高橋晋平 (著)
『世界ケンカ旅』大山 倍達 (著)
『素敵なダイナマイトスキャンダル』末井 昭 (著)
『復興の書店』稲泉 連 (著)
『虐殺器官』伊藤 計劃 (著)
『ハーモニー』伊藤 計劃 (著)
『イスラム国の野望』高橋 和夫 (著)
『アメリカはイスラム国に勝てない 』宮田律 (著)
『アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために』岸見 一郎 (著)
『子どもの教育』A.アドラー(著)

https://www.facebook.com/events/1468997023322868/

本日の読書会は「ブレークスルー」をテーマにした本を持ち寄り、持参した本から何を得て何を成し得たか、どの様な勇気や助けを得て、次のステップに進むことが出来たか、また、その本の著者自身の自伝やエッセイから著者自身のブレークスルー体験等をお話いただきました。

共通した話題に、"カウンセリング"的コミュニケーションがあがりました。縦の関係で対人関係を結ぼうとするのではなく、横の関係の対人関係を持ち、関係者同士の共感度と信頼感を高めてコミュニケーションの質を高めていく事が、ビジネスや教育現場で求められているとのこと。
本日紹介された書籍の中から、衝撃的な痛い経験をカラッと明るく笑い飛ばし、酒の肴にして次のステップに進む逞しい精神、折れない心、泉のように湧き出す斬新でニッチなアイデア、これらの前向きで善や良の精神を人はどの様に自己に培っていったのでしょう。

「失敗を恐れない」「他人の視線を気にしない」「自分が人生を創っている」「やらなかった事を後悔しない」大なり小なり、人は皆毎日がブレイクスルーの連続なのかもしれません。

「逆境を跳ね返す力」をレジリエンス(resilience 心理学)と呼ぶそうです。(『悲しむ力 深く悲しまない人間は幸せになれない』)「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも訳される心理学用語でもあり、「脆弱性 (vulnerability) 」の反対の概念であり、自発的治癒力の意味でもあるとのこと。(wiki)
ならば人生において、マイナスの境遇に接する事は正に、レジリエンス力を高めるトレーニングの場とも言えるのではないでしょうか。そして心のビタミン、栄養素を良書から学び取り、"折れない心"や"揺るがない信念"を形成していくは、益々大切な事に思えます。

本日ご紹介した「世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)」の事務局長である白木朋子さんが、国内外での事業の合間に約2年かけて書き上げた『子どもたちに幸せを運ぶチョコレート: 世界から児童労働をなくす方法』では、「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011年、国連報告書)を取り上げ、児童労働の結果が企業活動に関係している場合、自社が関わる問題の所在を明らかにして、問題ありの場合は対策を取り、問題が起こらない様、予防策をとる事が避けられなくなった(人権デューディリジェンス)と記述しています。

児童労働をかせられている海外の子供達にも、ブレイクスルーな場やチャンスは勿論必要です。ましてや多感な子供時代に、そのチャンス、機知や創造性を形成する教育時間を奪われてしまうなんて!!出生国や家庭環境が異なる事で搾取される時間や機会が変わってくる、そんな現実が実在する、何も罪のない子供達に、この事実を是非知っていただきたいと思いました。

子供達の笑顔は、疲れた心を癒す力があると思います、仕事や家事や育児に疲れた時など。彼らの素晴しい笑顔、嬉しい表情を見て「うん、頑張ろう!」とホコッっとしたら、ACEさんの活動に、興味を持たれたら、是非是非下記のURLをご覧くださいませ^^/
http://acejapan.org/

それではまた次回の読書会でお会いしましょう。

【Facebook page】

 

こんばんは▼o・_・o▼♪ 本日紹介型読書会「春の読書会」を開催いたしました。♪
本日の読書会では、イベント写真に使用させていただいた、世界の子供達が学んでいる写真4枚を提供していただいた「世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)」さんの活動のご紹介と、募金箱を設置しての開催でした。
参加された皆様、お志をいただき、ありがとうございました。m(._.)m 責任を持ってACEさんに募金をお届けいたします。 

さて本日のお題は、「私のブレイクスルー体験」でした。
・上司とビジネスフローについて本気で喧嘩した
・1年前から読書会を開催している
・社会人初期の頃仕事で怒られ、毎日泣いていたが、7年間仕事を続ける事が出来た
・プログラミングの勉強を克服し、現在の仕事に生かす事が出来る様になった
・体調管理にブレイクスルーの精神を取り込みたい
・転職で新規分野に挑戦、どんな事でも熱意を持って挑戦すればなんとかなると思った
・読書傾向の修正のため「しりとり読書」に挑戦、ルールを決めて、挑戦せざるを得ない環境を作り、普段手に取る事のない本を読む事になった
・新任時代、不良学生に辛らつな授業要求をされ、凹んだが、洗礼を受けたと思う

 

参加者の皆さんの辛かった事や強烈な痛い経験、心機一転、新しい突破口を開くといった体験談、お話いただきありがとうございました。皆さんが一時期マイナス(辛い時、我慢時、寂しい時、不幸)の場面を体験してから、工夫や忍耐、機知で乗り越え、プラス(安心、開放、楽天、幸福)の方向へ自己を導いた経緯が分かり、自身の体験だけでなく、他者の体験談を耳にすることで、「辛い時を経験しているのは自分だけではないのだ」、「新しい事も一歩踏み出せば自己のものとなる」と励まされた次第です。有難うございます!!

ご紹介いただいた本のリストは、TOPページに、まとめを掲載しました。↓も覧くださいませ。
https://www.facebook.com/BCTFH

本日は、読書会へのご参加とACEさんへの募金援助をいただき、本当に有難うございました。

次回のジャンルフリーの紹介型読書会は、5月17日(日)に「『旧約聖書』の中から」と題して、"もはや知っていないと困る教養?"と言っても過言でない『旧約聖書』の内容を著作の中に引用、影響を受けて書かれた本を持ち寄る読書会を開催いたします。

どうぞ宜しくお願い致します。^^/

 

 

3月1日(日)13:45~開催 「ジェイン・オースティンの読書会 『説得』プラスα」

 

▼o・_・o▼♪本日「ジェイン・オースティンの読書会 『説得』プラスα」を開催いたしました。♪

本日の読書会会場は、渋谷の英国調一軒家創作ダイニング ウサギ 3F個室、雰囲気のある

落ち着いた空間で美味しいランチとデザートをいただきながら、開催いたしました。

冷たい小雨の振る中をご参加いただき、有難うございました^^/

 

下記は読書会のまとめです、宜しくお願い致します。

 

■課題本のため異なる翻訳本の頁合わせをしながら、進めました。

 

A.『マンスフィールド・パーク』(中公文庫) ジェイン オースティン、大島 一彦 訳 

B.『マンスフィールド・パーク』 (ちくま文庫) ジェイン・オースティン、 中野 康司 訳

 

A 大島一彦 訳          B 中野 康司 訳

  1巻 1章ー18章   1章ー18章

  2巻 1章ー13章   19章ー31章 

 

A.『説得』(中公文庫) ジェイン オースティン、大島 一彦 訳

B.『説得』 (ちくま文庫) ジェイン・オースティン、 中野 康司 訳

 

A 大島一彦 訳       B 中野 康司 訳   

第1巻第1章ー第12章   第1章ー第12章   

第2巻第1章ー第12章   第13章ー第24章   

 

今回の「ジェイン・オースティンの読書会」はスピンオフ会のため、重複参加の方が2名、残りの4名の方は片方の読書会のみ参加の方々でしたが、新しい角度から見た感想が次々と飛び出し、大変楽しい会となりました!

中でも『マンスフィールド・パーク』のクロフォード兄妹、プライス兄妹、バートラム兄妹の兄妹関係の親密さ、メアリーとファニーが二人で一人のジェイン・オースティンを表現しているのではないか、との感想はとても斬新でした。

『マンスフィールド・パーク』の中で好きな人物、印象に残る人物では、ファニーとメアリーが人気を二分したので、やはり読者は自然と二人の女性の中に作者を見出し、共感していた可能性もあります。

 

面白かったのは、ノリス夫人、バートラム夫人、プライス夫人は三姉妹にもかかわらず、各自が異なった地位の男性と結婚してしまったために、結婚後の人生がバラバラになってしまったこと。そして参加者全員で"結婚相手は大事だね!!"という結論に至りました(笑)。

 

『説得』では、人気の人物はアンとウェントワース大佐で、大きく二つに分かれ、次いでエリザベスがあがりました。

印象に残った場面は、下記(一部略)が出ました。

・ウェントワース大佐の手紙

・バースのお菓子屋さんで、アンとウェントワース大佐が再会

・ハーヴィル大佐とアンの「男性、女性双方の立場から見た愛についての素敵な会話

・アンがベニック大佐にお勧めの本を紹介している場面

・サー・ウォルター・エリオット准男爵のナルシストぶりと『准男爵名鑑』への執着、他。

 

『説得』、『マンスフィールド・パーク』で共通の話題は"男性のプライド"でした。一人は8年間という時間はかかりましたが、プライドを捨て愛の手紙を書いて幸せになりましたが、別の一人はプライドの為に、自身は火遊びのつもりが、人生で大火傷を負う事になり、最良の伴侶になるはずの女性を永久に失ってしまいました。さて、この二人の男性の間違いは何処で救われ、何処で救われなかったのか?

「犠牲を払ってでも正義を貫く心」「若い頃の苦難と規律を学ぶ機会」「人は、努力と忍耐のために生まれて来るのだという覚悟」以上の事柄が、どちらの男性にあり、なかったのか。

 

ジェイン・オースティンの作品には、読者が共感できる箇所が沢山あります!その場面場面は、作者自身の人生で経験した出来事を自然な筆致で、丁寧に描いているため、読者に優しく伝わってくるのかもしません。

そしてオースティンの作品を読まれた方の中には、「もっと若い時に読みたかった!」「結婚する前に読みたかった!!」「素晴しい作品に出会えてよかった♪」という意見を持たれた方が多いのですが・・・さて皆さんはどの意見を持たれることでしょう?

 

次回の「ジェイン・オースティンの読書会」は6月21日(日)に開催、課題本は『ノーサンガー・アビー』、自らをゴシック小説のヒロインであるかの様に考える少女キャサリンの物語です。

また楽しい読書会になりますように^^/

 

それでは、次回の読書会でお会いしましょう☆^^☆

宜しくお願い致します。

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こんばんは▼o・_・o▼♪ 本日「ジェイン・オースティンの読書会 『説得』プラスα」を開催いたしました。♪

参加された皆様、冷たい雨の降る中をお越しいただき、有難うございました。m(._.)m

 

本日の読書会は2014年6月、10月に開催した第3回と第4回ジェイン・オースティンの読書会のスピンオフ会。課題本も 『説得』と『マンスフィールド・パーク』の2冊、美味しいランチとデザートをいただきながらの開催でした。♪

 

さて、本日のお題は「あなたの好きな女流作家」。一番の人気作家は勿論ジェイン・オースティンでしたが、『赤毛のアン』の作者モンゴメリも2名いらっしゃいました。以下ロザムンド・ピルチャー、中村妙子(翻訳)、白洲 正子、ヤマザキマリ、マーガレット・ミッチェル、トーべ・ヤンソンと各国の女流作家の紹介をいただきました。どの作家さんの作品も映像化

、画像化されており、視覚的に物語を観てから原作に興味を持つ傾向が強い事がわかりました。世界文学の名作品が、有名俳優や女優さんの出演でもっと多く映像化されると、海外文学の読者も増えるのかもしれませんね。☆^^☆

 

ジェイン・オースティンの映像作品で「説得」の北米仕様版DVDのYouTubeを見つけました。更に話題になったインド版のジェイン・オースティン作品も2つほどURLを発見しましたので、ご興味のある方は、チェックしてみてくださいませ。

 

Persuasion BBC Warner/リージョンコード: リージョン1

https://www.youtube.com/watch?v=1BW1lUDoUKw

 

インド現代版「高慢と偏見」

http://bollywoodmovie.blog.fc2.com/blog-entry-176.html

 

インド現代版「エマ」

http://yuurismo.iza-yoi.net/hobby/bolly/Aisha.html

 

TOPページに読書会のまとめを掲載しました。↓も覧くださいませ。

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